目の前の世界は、ただ静かに佇んでいた
路地裏の片隅、誰かの記憶が囁く
ふと見上げた空は、どこまでも続いていた
いつか聞いた言葉が、まだ胸の奥に響く
終わらない昨日を抱えたまま、時は進む
零れ落ちる光の先で、わたしは立ち止まる
―――何もないこの場所に、意味を見つけるために
寝息のような微かな希望だけが残る